恋・したい
【り・り・あ・ちゃん♪起きて~】
『まだ眠いよ…』

布団をひっぺがされて柚季が背中をとんとんと叩く。せっかくの休みなんだから寝ていたいよぉ…

【ご飯冷めちゃう―!莉梨愛ちゃんの寝坊助~っ】

ぐいん、と両手を引っ張られ首が、がくんとなり骨が鳴った。

『痛っ…』
【ちゃんと起きなきゃまた抱きしめちゃうぞ。早く顔洗ってきなさい】

寝惚け眼で呆けてる私を尻目に柚季はキッチンへ向かった。頭を掻きながら思い足取りで洗面所へ。
ふわあ、と大きな欠伸をして石鹸を泡立てて洗う。冷たい水が少しずつ頭を覚ましてゆく。キュッと蛇口を閉めタオルで優しく水分を拭き取る。軽くスキンケアをし、テーブルに着きソファに座った。

【さあ、食べよっ】
『すご―い!頂きまぁす』

ピザトーストとベーコンエッグにイタリアンサラダ。いつも朝食は適当に済ませてるし(納豆とか海苔とか)
あれ?私食パン買ってたっけ?

『ねぇ、食パンあったの?』

ピザトーストを頬張り柚季に質問した。

【コンビニで買ってきたよ。莉梨愛ちゃんなんでピーマン除けるの?】
『嫌いなんだもん。ピーマンもウチの冷蔵庫にはなかったのになんであるの?』
【昨日買ってきたから】
『じゃぁ朝食のメニューは昨日から決めていたって事なんだ』
【うん。莉梨愛ちゃんピーマン食べなさい】

柚季が除けたピーマンをフォークで口元に持ってくる。

『普通に無理だからっ!苦いの嫌だあ~』
【ふぅん。じゃ仕方ないね】

ちょっぴり拗ねて私が除けたピーマンを黙々と食べた。
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