恋・したい
店員を呼び注文の品を告げる。私たちを見てそそくさと立ち去った。

『柚季放してくれる?多分食べづらいよ。それにちょっと恥ずかしいし…』
【離したくない。莉梨愛ちゃんの隣に居たい】

私を真っ直ぐ見て小さい声だけどはっきりきっぱり言い切った。

『顔紅いよ』

恥ずかしすぎて柚季をからかうしか出来ない。きっと私も真っ赤なんだろうな。
ほんとになんだろうね。これ。
胸がこそばゆい。ドキドキして心臓がうるさい。体温上昇するから顔が火照る。たまに、きゅうって痛くなる。
そして
なんだか泣きたくなるの。今は解らないけどいつか解る日がくるのかな…

食事を済ませデパートを出ようとしたらせっかく来たんだし、とゆわれ留まる事にした。
二階に特設コーナーが設けてあって柚季の手を引き覗きに行く。すると
思いおもいに描かれた様々な絵がずらりと並んで見て見て!と訴えているようだった。
タイトルは[ぼくのわたしのすきなもの]
幼稚園児が描いたのだろう、飛行機やお人形、果物やヒーロー。
自分の好きなものをのびのびと描いている。
上手な子もいれば下手な子もいる。でもそんな事はきっと関係ないんだね。
< 78 / 244 >

この作品をシェア

pagetop