恋・したい
『あっ、はい。大丈夫です』

ソムリエが華麗に栓を開け、グラスにワインを注ぐ。

「ごゆっくりどうぞ」

一礼して他のテーブルへ向かった。

『乾杯』
「乾杯!」

グラスを傾け軽く触れ合わせた。一口飲む…
『わ…美味し』
「すごい美味し~」

二人で顔を見合せにっこりと笑う。

【そんなに美味しいの?僕も早く飲みたいなぁ…】
『その前にお酒の味を理解しないと無理ね』
「その前に二十歳にならなきゃ無理でしょうよ」
『あ。そうだった』

柚葉ちゃんがクスクス笑って

「先生って天然?可愛い」
『いやっ…、天然かは解らないけど』

年下の女の子に“可愛い”なんて初めて言われたから恥ずかしい。ワインを飲み干しグラスに注ぐ。

「まだ料理きてないのに!なくなっちゃうよ。ゆっくり飲もうよぅ」
『んっ…、うん』

柚季がまた膝をツンツンしてきた。

【莉梨愛ちゃん顔紅い♪】

からかう様に耳打ちして最後に

【すごい可愛い。ほっぺた熱いんだろうね】
って。
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