恋・したい
『これからデッサン開始するの?』

朝食を終え、後片付けを済ませた由宇の肩を揉みながら問う。

「それは夜にしよ。ショッピング行こうよ!」
『うん、欲しいのあるんだよね~』
「じゃ早く着替えてきて」
『は―い』

買い物なんて久しぶりだなぁ♪何着てこっかな。寒いかなぁ…
グレーのニットワンピに黒のロングブーツにしよっと。

『お待たせ』
「何処行く?」

鍵をかけ階段を降り駅へ向かう。また犬が吠えている。彼処ん家ちゃんと躾してるのかしら。

『バスオイルなくなったんだよね』
「Body Shop先に行こ」

改札口を過ぎ、電車に乗る。空いている電車に乗るのは久しぶりだな。

『彼となんかあったでしょう?』
「…解っちゃった?」

ほらやっぱり。

『話したくないなら無理しなくていいから』
「ここじゃちょっとね」
『うん』

電車に揺られながら流れてゆく景色を眺めた。
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