恋・したい
車内のアナウンスが目的地に着いた事を告げる。由宇の後ろについて電車を降り改札口までずっと後ろを追った。

「りぃ♪」

不意に由宇に手を握られた。そのままショッピングをして街を歩く。
お昼時になったので私たちはファーストフード店に入った。二人で同じ物を注文しテーブルに着いた。
ハンバーガーなんて久しぶりだな。

「たまに食べると美味しいね」
『由宇の料理には敵わないけどね』
「当たり前でしょ」

由宇はハンバーガーを私はポテトを食べながら顔を見合せ笑い合う。

『で何があったの?』

…しばしの沈黙。

「彼が他の女の子と遊んでたの」
『二人っきりで?』
「二人っきりじゃないけどなんか嫌。由宇は男の子と絶対遊ばないもん」
『気持ちは解るけど彼だって仕方なかったんじゃないのかな?理由聞いた?』
「…まだ」
『また由宇が一方的に怒って喧嘩してそのままなんでしょう?』
「う…ん」

適度なヤキモチは可愛いらしいけど由宇の場合はちょっと激しいかもね。
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