悪魔ハンター(デビルハンター)・絆
「はぁはぁ………」

走り疲れてウォーダンは木にもたれかかった。

追っ手を振り切るためにウォーダンは森へと逃げ込んでいた。

「まだ……近づいてくる気配があるな……」

ウォーダンは腰に付けてある剣を抜くと上へと目をやった。

大きな翼が勢い良くこちらへと突っ込んで来た。

「ラオス様か!!」

ラオスと呼ばれた悪魔も剣を抜きウォーダンに切りかかった。

ウォーダンは受け止めたが今までの戦いで弱っていたのか、剣は木の枝のように真っ二つになってしまった。


「ぐっ……ラオス様、貴方は今の王の考えが正しいと思っているのですか?」

ラオスは剣を締まって腕を組んだ。

「王を斬り、同朋を斬った……、これがお前の欲望のためにしたことであれば私はお前を殺す、この騒ぎを起こした理由を述べろ!!」

「これ以上罪なき者を傷付けない為だ!!」

ラオスは組んだ腕を解き、再び剣を抜いた。

それに合わせウォーダンも身構える。

「理由は本当にそれなのだな?」

ウォーダンは静かに頷き周りの気配を感じ取った。
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