恐怖 DUSTER
「里美・・・あんたよく見えるね!」
千恵が里美の背中から、自分達のいる場所からまだ距離のある二つの人影を見て行った。
「私、目はいいのよ!視力は両目とも2.5あるから」
嬉しそうに微笑みながら里美が言った。
麻美は、その二つの人影を見つめながら静かに言う。
「弥生、私に聞きたいことがあるんでしょ?」
「えっ?!」
弥生は麻美の言葉に、つい先ほど意を決して聞こうとしていた事を思い出した。
「う、うん。そう、教えて欲しいの!」
「いいわよ、なにが知りたいの?」
「あ、あのね・・・えーと・・・」
突然、知る機会を与えられた弥生は、頭の中で質問を整理する事ができずにいた。
「裕子の誕生日はまだなのを知っているわよね?」
弥生の心理状態を読み取った麻美は、自ら弥生の疑念に答えるように話した。
「う、うん」
「裕子もね、あの事故に遭遇してあの暗闇の場所にいるのよ」
「それで、裕子の誕生日までに入れ替わらせるのね?」
なぜか麻美は、弥生と視線を合わせようとはせず、自分達の方へと歩いてくる裕子たちを見つめたまま話し続けていくのである。
「そうよ入れ替わらせるの・・・でも・・・」
「でも?・・・でも何?」
「裕子の場合は、ちょっと私たちとは違うのよ」
「違う?違うって何が?」
麻美は少し躊躇した様子を見せながらも話を続けた。
「裕子はね・・・あの事故の時からずっと眠り続けているのよ・・・」
「眠り続けている?・・・それじゃあ里美と一緒じゃないの?」
麻美は視線を弥生に向け直し冷めた口調で言った。
「違うわ・・・裕子は、あの暗闇の場所から出るのを望まず眠り続けているのよ・・・」
千恵が里美の背中から、自分達のいる場所からまだ距離のある二つの人影を見て行った。
「私、目はいいのよ!視力は両目とも2.5あるから」
嬉しそうに微笑みながら里美が言った。
麻美は、その二つの人影を見つめながら静かに言う。
「弥生、私に聞きたいことがあるんでしょ?」
「えっ?!」
弥生は麻美の言葉に、つい先ほど意を決して聞こうとしていた事を思い出した。
「う、うん。そう、教えて欲しいの!」
「いいわよ、なにが知りたいの?」
「あ、あのね・・・えーと・・・」
突然、知る機会を与えられた弥生は、頭の中で質問を整理する事ができずにいた。
「裕子の誕生日はまだなのを知っているわよね?」
弥生の心理状態を読み取った麻美は、自ら弥生の疑念に答えるように話した。
「う、うん」
「裕子もね、あの事故に遭遇してあの暗闇の場所にいるのよ」
「それで、裕子の誕生日までに入れ替わらせるのね?」
なぜか麻美は、弥生と視線を合わせようとはせず、自分達の方へと歩いてくる裕子たちを見つめたまま話し続けていくのである。
「そうよ入れ替わらせるの・・・でも・・・」
「でも?・・・でも何?」
「裕子の場合は、ちょっと私たちとは違うのよ」
「違う?違うって何が?」
麻美は少し躊躇した様子を見せながらも話を続けた。
「裕子はね・・・あの事故の時からずっと眠り続けているのよ・・・」
「眠り続けている?・・・それじゃあ里美と一緒じゃないの?」
麻美は視線を弥生に向け直し冷めた口調で言った。
「違うわ・・・裕子は、あの暗闇の場所から出るのを望まず眠り続けているのよ・・・」