恐怖 DUSTER
「いやー!いやー!嫌だぁー!」


声の主が、入れ替わりに深く関わる恵子と知って、弥生の恐怖は頂点になっていく。


「バカ!恵子あんた、なにやってんのよ!」


裕子が慌てて、弥生の目をふさぐ恵子の手を離した。



弥生は、その場に崩れ落ち恐怖に震えている。


「や、弥生!大丈夫?!」


慌てて麻美が崩れ落ちた弥生に寄り添いささえた。



「弥生、落ち着いて!心配ないから、大丈夫だからね」



弥生のショック状態を見て、麻美は怒りをあらわに恵子をにらみつけた。



麻美の怒りの視線を感じていながら、恵子はいたずらぽっく微笑返すのであった。



「ごめん!ごめんね弥生!まさかこんなに驚くとは思わなかったの」


恵子は、麻美に返した微笑とは正反対の言葉を弥生に言う。



「恵子、あんたね!弥生が目隠しで怖い目に遭ったのを忘れたの!」


裕子が強い口調で、恵子に言った。



「ごめ~ん。弥生、本当にごめんね」



そう言いいながら、恵子は弥生に寄り添い耳元でささやく。




「・・・大丈夫だって。弥生は当分、入れ替わらないから・・・」





自分の耳元で、そうささやいた恵子の言葉に、麻美の話が真実である事を弥生は実感するのだあった。
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