恐怖 DUSTER
「裕子、里美、朝子、しずか、今日子、美奈、利沙、れいこ、亜美、友紀子」




弥生は突然、暴れるのをやめて、なぜか女の名前をたくさん言い出し始めたのである。





弥生にしがみついていた、裕子と恵子も訳がわからず弥生を見つめていた。





その間にも、弥生は次々と女の名前を言い出していく。





「和美、千恵子、美奈子、真紀、亜希子、麻衣子、有紀、咲子、愛、美紀」





恵子は、そんな弥生を見るのが辛くなり弥生を抱きしめ叫んだ。




「弥生!お願いだからしっかりしてよ!弥生!弥生!」





その声に反応したのか、弥生は女の名を言うのをやめた。





「弥生!弥生、大丈夫?しっかりして」





裕子が、弥生の目を見て言った。





しかし、弥生の視線は裕子を見ていないように虚ろであった。





弥生が、弱々しい声でポツリと言った。







「見えないの・・・」
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