恐怖 DUSTER
「お菊ちゃんは、なんとかして私に食べ物を渡したくて本丸から抜け出して来てくれたの」
「私は嬉しくて、お菊ちゃんの名を呼んだわ!」
「私は、ここよー!とね・・・」
「お菊ちゃんはすぐに気づいてくれて、私の方へと向かってきたの・・・」
「そして・・・見てしまったの・・・大勢の人達が子供の死体をむさぼり食べているところを・・・」
「お菊ちゃんがいた本丸は、食べ物も分け与えられていたから死体を食べるなんて事は想像もできなかったのでしょうね。大声で叫んでその場から逃げ出していったわ」
「当たり前よね、そんな地獄絵図を見てしまったら誰だって逃げ出すに決まっている」
「・・・でもね、逃げて行くお菊ちゃんの後姿を見ても、私は呼び止めるができなかった。」
「痩せ細って亡者のようになっている自分の姿を見られたくないという思いもどこかにあったから・・・」
「・・・それで、お菊ちゃんとは会えなくなったの・・・?」
恵子の悲惨な状況を思い浮かべながら、弥生は問いかけた。
暗く複雑な表情を浮かべながら、恵子は重い口調で言った。
「・・・そのまま・・・」
「・・・お菊ちゃんと二度と会えなくなったほうが・・・」
「・・・よかったのかもしれない・・・」
「・・・どうして・・・?」
恵子は悲しい顔を弥生に向けながら、いまにも泣きそうな声で静かに言った。
「・・・お菊ちゃんね。・・・戻ってきちゃったの・・・」
「私は嬉しくて、お菊ちゃんの名を呼んだわ!」
「私は、ここよー!とね・・・」
「お菊ちゃんはすぐに気づいてくれて、私の方へと向かってきたの・・・」
「そして・・・見てしまったの・・・大勢の人達が子供の死体をむさぼり食べているところを・・・」
「お菊ちゃんがいた本丸は、食べ物も分け与えられていたから死体を食べるなんて事は想像もできなかったのでしょうね。大声で叫んでその場から逃げ出していったわ」
「当たり前よね、そんな地獄絵図を見てしまったら誰だって逃げ出すに決まっている」
「・・・でもね、逃げて行くお菊ちゃんの後姿を見ても、私は呼び止めるができなかった。」
「痩せ細って亡者のようになっている自分の姿を見られたくないという思いもどこかにあったから・・・」
「・・・それで、お菊ちゃんとは会えなくなったの・・・?」
恵子の悲惨な状況を思い浮かべながら、弥生は問いかけた。
暗く複雑な表情を浮かべながら、恵子は重い口調で言った。
「・・・そのまま・・・」
「・・・お菊ちゃんと二度と会えなくなったほうが・・・」
「・・・よかったのかもしれない・・・」
「・・・どうして・・・?」
恵子は悲しい顔を弥生に向けながら、いまにも泣きそうな声で静かに言った。
「・・・お菊ちゃんね。・・・戻ってきちゃったの・・・」