恐怖 DUSTER
やがて男は、泥だらけの女の後ろの妻の墓に穴が開いている事に気がついた。



「あれは!」



男は、泥だらけで立ちすくむ女の横をすり抜け、妻の墓に開いている穴を確認した。



その、穴は中から掘り起こされたように開いている。



「こ、これは・・・まさか・・・」



男は、泥だらけの女を見つめ言った。




その胸には、自分が贈ったネックレスが光っている。




「ジョセフィーヌ?お前はジョセフィーヌなのか!」




「あぅぅぅぅぅ・・・あぁぁぁぁぅぅぅぅ・・・」




泥だらけの女は、前よりも激しい口調で唸り声をあげた。




男は、涙を流し愛する妻へと駆け寄り、強く抱きしめた。



「おぉぉ、ジョセフィーヌ。どれほどお前に会いたかったか」



「あぅぅぅぅぅ・・・あぁぁぁ・・・うぅぅぅぅ・・・」



泥だらけの妻も、男に抱きしめられ嬉しそうに言葉にならない呻き声をあげた。




妻は、生きていた頃の美しさは無く、全身が腐敗して恐ろしく醜くなっていた。




しかし、男は構わず妻を抱き上げ、家に連れ帰って行った。




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