恐怖 DUSTER
「違うよ・・・私も今の弥生と同じ7歳までの麻美なのよ・・・」


弥生を気遣うような視線で麻美は言った。



「あれから私も他の病院に移って入院していたの」



「何も考えず何もしない、ただそこにいるだけの入院生活を続けたわ」



「感情が無かったの・・・?」



「そう、後でそこの先生に聞いたのだけど、私は母親の死のショックから感情をなくしてしまったらしいのよ」


弥生は、自分と別れた後の麻美の事を考えると悲しくなってきた。


「弥生、泣かないでよ。私が感情を無くしていた事は不幸なことじゃないんだから」


「えっ?」


不幸じゃないと言う麻美の言葉が理解できない弥生であった。



「私が感情を無くしてから一ヶ月が過ぎた頃に、私の誕生日がきたのよ」



「心が入れ替わる7年目の誕生日がね」



麻美の言葉に弥生はどこか疑問を感じていた・・・?



・・・7歳の時の麻美には感情が無かったのに、どうして心が入れ替われるのか・・・?



・・・7歳までの麻美の感情は、その時には無かったのだから7年目からの心はすんなり変われると思うのだけど・・・?



・・・でも、麻美は私に言った・・・






・・・自分は、私と同じ7歳までの心の麻美だと・・・?
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