恐怖 ＤＵＳＴＥＲ

「本当に良かった・・・」


麻美はそう言いながら優しい笑顔を弥生に向ける。


「で、でもどうして誕生日の生まれた時間がタイムリミットなの？」


麻美には理解できない事ばかりである・・・


「言ったでしょ。心は細胞と同じく７年で入れ替わるって・・・」


「最初に７歳で変わり、そして１４歳で再び変わる・・・」


・・・麻美の言う事が真実であるならば、なぜ７歳から１４歳までの弥生の心は、新しい１４歳からの心と入れ替わらなかったのだろう・・・？



それに１４歳からの弥生の心はなぜ現れなかったのか・・・？



本来ならば、７歳からの弥生の心と共に私も消去されてもおかしくないのに・・・？



弥生の疑問はさらに深まっていく・・・


「ねぇ、麻美ちゃん」


その瞬間、麻美は今まで自分に向けていた優しい視線から獣が威嚇するような視線を向けて言った！


「弥生！なんど言わせるの！私にちゃんづけをしないで！」


「あっ！ごめんね・・・」


またも叱咤されて弥生は落ち込みながら思った・・・


・・・どうして麻美ちゃんは、これほど麻美ちゃんと呼ばれるのを拒絶するのだろう・・・？



麻美に理由を聞いてみたいと思うのだが、強い口調で言われた後だと言いづらいと感じてしまうのであった。



疑問を感じつつ、弥生はもうひとつの疑問を麻美に問いかけた。


「ねぇ、麻美？１４歳からの麻美や弥生ちゃんの心はどこにいるの・・・？」


先ほどまで弥生に向けていた強張った表情は無く、麻美は優しく答える。


「ああ、１４歳からの新しい心ね。その心なら既に私やあなたの中に存在しているわ」


「私達の中に存在している！」



麻美の言葉に、弥生は何度も驚かされた・・・