恐怖 DUSTER
「その私が見た夢というのは感覚なのよ。例えるなら14歳からの心が出した刺激を受けて、私の神経系が働きそれが脳に伝わって夢を構築していったのよ」

弥生は麻美の言う事が解らなかったが、そのまま聞き入れる事にし視線を麻美に向ける。

「夢の中では、もう一人の私と二人で顔を見合わせて話し合うのよ」


麻美の口調は柔らかくなり楽しげに話し続けていく。


おそらく7歳からの私が、なんの問題も無く存在していたのなら、14歳からの私と入れ替わる時も夢という形で本人も気づかないうちに入れ替わったんでしょうね」


弥生は麻美の話しが自分から外れていくように感じ慌てて問いかけた。


「麻美、私が既に14歳からの私と同化しているて、どういう事?」


「・・・それはね、本来なら今日の夜に前の弥生は入れ替わる予定だったんだけど、私の時と同じようにあなたが突然現れて入れ替わってしまったでしょ?」


「それは解るけど、麻美の説明なら私も夢を見て同化しないとおかしくない?」


弥生は疑問を麻美に投げかけたが、麻美は予測していたかのように答える。


「それは無理よ。だって今日あなたは・・・いえ、前の弥生は恐怖で心が壊れてしまったから夢なんか見れる状態じゃないのだから」

「心が壊れそうになるとね、新しい心は早く現れて前の心が壊れる前に記憶と精神を引き継ごうとするのよ」


「だから今日、あなたが弥生の後ろに現れて心を壊し続けている時にはもう前の弥生の心の中に存在していて、壊れていく前の弥生の心から記憶と精神を吸収しようとしていたのよ」

・・・私が弥生ちゃんの後ろにいた時に、もう14歳からの心は存在していた・・・!


「で、でも・・・それならいつ私と同化したの?」


麻美は再び、魔性の光を放つような笑顔で弥生に答えた。


「それはね、あなたが弥生と入れ替わった瞬間に14歳の心も一緒にあなたの心に望んで吸収されていったのよ


「私に望んで吸収された?」


「そうよ、だって14歳からの心はとても弱いから、自分を維持し続ける最良の方法は同化しかないからね」


麻美の言う事がやはり理解できない弥生であったが、少なくとも自分が14歳からの心に入れ替われる事は無いと知り安堵した」
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