恐怖 DUSTER
・・・それにしても、なぜ麻美はこれほど心の入れ替わりについて知っているのだろう・・・?

・・・私の入れ替わりや同化は麻美が経験してきた事とは違うのに・・・?


弥生の中に生まれた新しい疑問はとめどなく大きくなっていき、問いかけずにはいられなくなった。


「ねぇ?麻美はなぜそんなに入れ替わりや同化の事に詳しいの?麻美の時とは違うのに?」


麻美はにやりと笑い弥生を見つめながら言った。


「だって・・・弥生の前に、試しているから・・・」


「試してて、どういうこと!」


「試すのは当たり前じゃない!弥生を蘇らす為には失敗は許されないのだから」


「で、でも・・・どうやって試したの・・・?」


麻美はもったいぶるような口調で、弥生に言った。


「さて私はどうやって試したのでしょうか?」


質問に質問で返された弥生は、戸惑いながらも考えてみた。


・・・試すって言っても、私や麻美のような恐怖の体験をしている人でないと試す事はできないはず・・・?


・・・でも、いったい誰を・・・・?

「あっ!」


その時、弥生の脳裏に思い当たるひらめきがあった。


弥生は麻美を見つめ、恐る恐る言った・・・


「も、もしかして・・・裕子と恵子・・・?」


麻美は弥生の問いを笑いながら言った。


「ブー!違うよ!裕子も恵子も誕生日は弥生より後でしょが!」


自分の答えが見当違いな事に気づき弥生は恥ずかしくなってしまった。



その時、麻美の携帯の着メロが鳴った。


「あっ!ちょっとゴメンね」


麻美が携帯で話している間も、弥生は考え続けてみた。

< 78 / 190 >

この作品をシェア

pagetop