僕の姫~ちっぽけな勇気~
「今から用意したらいい時間なんじゃないか?」


時計を見ると16時。


ここから花火が見えるところまで1時間かかるから、確かにいい時間かもしれない。


「知世、浴衣持ってるか?」


「持ってるけど、自分で着付けできないし…。」


知世ちゃんがそう言うと、兄貴はなにも言わずに1階に行った。


…兄貴?


「どうしたんだろうね、駿ちゃん…。」


英語の参考書を閉じながら言う知世ちゃん。


あれ?

わからないとこいいのかな…。


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