僕の姫~ちっぽけな勇気~
「うーん…実は学校に教科書どっさり置いたままでさ…」


言いづらそうに言う知世ちゃん。



その瞬間、僕の中にあるスイッチがONになった。


「僕、あんなに口うるさく言ったよね!?」


毎朝毎朝、僕は少しずつ持って帰るようしつこく促した。


いわゆる、耳にタコが出来るくらい。


「帰るときには忘れちゃうじゃんかっ!」


「でも、面倒くさかったっていうのもあるでしょ…?」


微妙に反抗した知世ちゃんに、僕はおそらく図星であろう言葉を浴びせる。


毎日忘れるほど、記憶力衰えてないだろうしね。


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