僕の姫~ちっぽけな勇気~
知世ちゃんは中学に入るまで、あからさまに怒りを露にするタイプだった。


でも中学に入ってから、静かに怒るようになって…ますます怖さが増した。


で、気づいたときにはもういつもの知世ちゃんに戻るんだ…。


「光輝はさ、あたしが近くにいるのが嫌なの?」


知世ちゃんがいきなりつぶやいた。


…え?


僕の近くにいるのが嫌…?


「なんか高校に入ってから、光輝がちょっと遠い気がする。」


遠い…?


「…なんてね。

もう駿ちゃん来る時間でしょ?

だから行くね。」


.
< 75 / 151 >

この作品をシェア

pagetop