ホスト前線上昇中
普通クラスの私からしてみれば、同じ高校なのにまるで別世界。関わりが無いのもそうだが、できれば極力関わりたくない……と言った方が近いかもしれない。
しかし、その考えは甘かったのだ。
いや、『関わりたくない』と思ったことに対する天罰かもしれない。
「村瀬美由紀さん……か。どんな子なんだろ、楽しみ」
因みにここは全寮制。ルームメイトはクラス関係なく男女分けてシャッフルして決められ、男子ペア、女子ペアで決定になる。
ペアを明記された用紙には、名前のみでクラスは書かれていない。コミュニケーションでお互いを知れという意味が込められているらしい。また寮自体は男女共に同じ建物に入る。
ホームルームを終え、私はウキウキしながら三〇一号室の扉を開けた。
「あなた……誰?」
見知らぬ青年が、驚いたような顔でこっちを見ている。
ルームメイトってことは無いわよね、だってだって!美由紀って……。改めて部屋入口に貼ってある名前を確認する。
自分の名前の隣に確かに『村瀬美由紀』と書いてあった。
深呼吸して再び部屋の中に入る。
「ガタガタうるさい奴だ。俺の名前は村瀬美由紀、昔からよく間違えられるんだよ、女にな」
『女』に──、って!え~っ!!私も人のこと言えないかも。(←男によく間違えられる)
「冗談じゃないわよ!こんな事務的ミスで私の高校生活を汚されるなんて!真っ平御免だわ」
──ガシッ。
「離してよ!」
部屋から出て行こうとする渉の右手首を彼はぎゅっと掴んだ。
「残念だけど、今日はタイムアウトだ」
時計は静かに十七時を刻む。
バン!!
「……っ!」
痛いと思った時にはふいに閉ざされたドアを背中に押し当てられた。
おまけに彼の顔が至近距離に迫る。
キレイな顔立ちだなぁ……その美形さに思わず心臓がドキドキしてしまう。
「汚されるとは随分だよな。俺とお前の間に何が起こるってわけ?」
「それは……その……つまり、同じ空間に年頃の男女。こんな状況じゃ、いつ何が起きるか……」
私は感じる視線に耐えられなくなって、言葉を詰まらせた。
美由紀の瞳は私の目を捕らえて離さなかった。
しかし、その考えは甘かったのだ。
いや、『関わりたくない』と思ったことに対する天罰かもしれない。
「村瀬美由紀さん……か。どんな子なんだろ、楽しみ」
因みにここは全寮制。ルームメイトはクラス関係なく男女分けてシャッフルして決められ、男子ペア、女子ペアで決定になる。
ペアを明記された用紙には、名前のみでクラスは書かれていない。コミュニケーションでお互いを知れという意味が込められているらしい。また寮自体は男女共に同じ建物に入る。
ホームルームを終え、私はウキウキしながら三〇一号室の扉を開けた。
「あなた……誰?」
見知らぬ青年が、驚いたような顔でこっちを見ている。
ルームメイトってことは無いわよね、だってだって!美由紀って……。改めて部屋入口に貼ってある名前を確認する。
自分の名前の隣に確かに『村瀬美由紀』と書いてあった。
深呼吸して再び部屋の中に入る。
「ガタガタうるさい奴だ。俺の名前は村瀬美由紀、昔からよく間違えられるんだよ、女にな」
『女』に──、って!え~っ!!私も人のこと言えないかも。(←男によく間違えられる)
「冗談じゃないわよ!こんな事務的ミスで私の高校生活を汚されるなんて!真っ平御免だわ」
──ガシッ。
「離してよ!」
部屋から出て行こうとする渉の右手首を彼はぎゅっと掴んだ。
「残念だけど、今日はタイムアウトだ」
時計は静かに十七時を刻む。
バン!!
「……っ!」
痛いと思った時にはふいに閉ざされたドアを背中に押し当てられた。
おまけに彼の顔が至近距離に迫る。
キレイな顔立ちだなぁ……その美形さに思わず心臓がドキドキしてしまう。
「汚されるとは随分だよな。俺とお前の間に何が起こるってわけ?」
「それは……その……つまり、同じ空間に年頃の男女。こんな状況じゃ、いつ何が起きるか……」
私は感じる視線に耐えられなくなって、言葉を詰まらせた。
美由紀の瞳は私の目を捕らえて離さなかった。