ホスト前線上昇中
「おい、渉!俺をおいて先に行くなよなぁ」
集合玄関で靴を脱いでいると、寝坊王子が登場した。
「あんたが悪いんでしょ。何度も起こしたのに起きないから!」
「ば〜か、お前の起こし方が悪いんだよ」
「?」
「……そういう時は」
彼の柔らかい口唇が、優しく私の頬に当たる。
『!!』
みんなも居る公衆の面前で──!恥ずかしいったらありゃしない。
両手で覆っても、真っ赤に染まった顔は隠しきれなかった。
「朝からお熱いこと」
タイミングもいいことにもう一人の王子も登場。
「どうだ、学。羨ましいだろ!これでお前との噂も帳消しだ」
「渉ちゃんとは約束があるもんね」
約束──?!
あっ。
『その事情ってヤツを聞けたら僕にも教えてよ』
昨日の彼のセリフが脳裏に蘇る。
「そうそう!じゃぁね、美由紀」
「なっ、何だよそれ!」
「ひ・み・つ。行こう!本城君!!」
美由紀が今まで背負ってきた苦しみも悲しみも、
私に半分分けてほしい。
そうすれば、
もっともっと、
毎日が楽しくなる。
本日は晴天!雲一つない快晴!
降水確率0%!
只今、『ホスト前線』上昇中ですっ!
END
集合玄関で靴を脱いでいると、寝坊王子が登場した。
「あんたが悪いんでしょ。何度も起こしたのに起きないから!」
「ば〜か、お前の起こし方が悪いんだよ」
「?」
「……そういう時は」
彼の柔らかい口唇が、優しく私の頬に当たる。
『!!』
みんなも居る公衆の面前で──!恥ずかしいったらありゃしない。
両手で覆っても、真っ赤に染まった顔は隠しきれなかった。
「朝からお熱いこと」
タイミングもいいことにもう一人の王子も登場。
「どうだ、学。羨ましいだろ!これでお前との噂も帳消しだ」
「渉ちゃんとは約束があるもんね」
約束──?!
あっ。
『その事情ってヤツを聞けたら僕にも教えてよ』
昨日の彼のセリフが脳裏に蘇る。
「そうそう!じゃぁね、美由紀」
「なっ、何だよそれ!」
「ひ・み・つ。行こう!本城君!!」
美由紀が今まで背負ってきた苦しみも悲しみも、
私に半分分けてほしい。
そうすれば、
もっともっと、
毎日が楽しくなる。
本日は晴天!雲一つない快晴!
降水確率0%!
只今、『ホスト前線』上昇中ですっ!
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