トリプレ

「バッカじゃねーの？」
　帰り道で私は泉から説教をくらった。
「ごめんなさいって走り去る奴いるかぁ？お前、告るんじゃなかったのかよ。あれじゃただの謝罪じゃん。」
「だって…相良君の友達もいたし…。」
「カンケーねぇよ。」
「もういい…無理。渡せただけでいいもん。」
「またそれかよ。いいか？相良と同じ学校にいられるのはあと１ヶ月なんだぞ。高校行ったらなぁ、お前の事なんか忘れられるぞ。だけどお前はな、そう簡単には忘れられず後悔する。あの時、告ってりゃ良かったって絶対思う。」
「泉は後悔した事あるの？」
「えっ！俺はまぁ…いつも後悔っつーか。いや俺の事はいーから。」
「じゃあ泉は好きな人に好きって言えるんだね…。すごいなぁ。」
「……まぁな。」