トリプレ

「あ～ぁ、私もアキラと同じクラスだったら良かったのに。」
　アキラと会えるのは登下校と休み時間のちょびっとだけ。クラス違うから廊下でしか会えないし。
　今も休み時間の廊下だし…。
　クラスの行事とか分かち合えないんだよ！クラス写真別々なんだよ！一緒に給食食べれないんだよ！イヤだよぉぅ！！
「三つ子なんだから入れ替わってもバレなくね？お前ら似てるし。」
「え～そう？似てるとか嬉しくないんだけど～。」
「何でよ？」
「だって明日香は暗いし、瑞穂は怖いし。私達は全然違う生き物なの。」
「見た目が似てるって意味だよ。」
「じゃあアキラは性格で選んでくれたんだね。」
「当たり前だべや。」
　きゃ～ラブラブ～☆やっぱりアキラが一番好きだよ！
「あれ転校生じゃね？」
　アキラが指さした方は２組の教室の前。次の授業が移動教室なのか、２組がゾロゾロと転校生と思われる男子を囲み歩いてきた。
　私とアキラの前を通る時、チラッと横顔が見えた。
「なんか優等生君って感じだね。」
「あんなのがいいの？」
「まっさか～！アキラが一番だよ☆」
　これホントだよ。アキラがいれば何もいらない。はっきり言ってアキラがいるから学校に行くんだもん。勉強なんかして何になるの？今頑張ったって結婚したら無駄になるじゃん。歴史だって理科だって無駄。数学だって足し算引き算くらいしか使わなくない？
　全然やる気しないんですけど…。早く結婚したいなぁ。ねぇ、アキラ。