トリプレ
当日、紘貴君の周りには常に誰かがいてなかなか渡すタイミングがつかめなかった。
モテるもんなぁ、紘貴君。
そうこうしてるうちに放課後になった。こうなりゃ下校途中を狙おう。あ!でも紘貴君は講習があるんだった。
2組を覗いたら紘貴君の姿はなかった。近くにいた男子に聞くと、もう帰ったと言われた。
えぇっ!今日は講習ないの?
急いで追い掛けた。今からならそんなに遠くには行ってないハズ。
滑って転びそうになるのをバランスとりながら走った。
例の公園を行き過ぎた所に紘貴君はいた。幸いにも独りでいた。
「紘貴くーん!」
「琉璃…どうしたの?」
「あのね、チョコ渡そうと思って。はい。」
「ありがとう。追い掛けてきてくれたんだ。」
「うん。どうしても渡したくて。私、紘貴君が好き。」
「え?」
「紘貴君が好きだよ。」
意外とあっさり言葉に出来た。走った勢いって感じ。
紘貴君は目を丸くして驚いていた。予想しなかったかな?
「あ…ありがとう。ちょっとビックリした。」
「そう?ずっと好きだったよ。」
「…そんな事言われたの初めてだな。」
嘘だ。あんなにモテるのに。
「出来れば紘貴君と付き合いたい。」
「…そっか。」
それだけ?
「こんな時は何て言ったらいいんだろう?えーと…琉璃は明るくて、積極的で…俺は羨ましいなって思ってたよ。泣きながら死んじゃイヤだと言ってくれた事も生きなきゃダメだと言ってくれた事も、俺を救ってくれた。その言葉は今でも励みになってる。だから琉璃とはずっと友達でいたい。付き合う事は出来ない…かな。」
モテるもんなぁ、紘貴君。
そうこうしてるうちに放課後になった。こうなりゃ下校途中を狙おう。あ!でも紘貴君は講習があるんだった。
2組を覗いたら紘貴君の姿はなかった。近くにいた男子に聞くと、もう帰ったと言われた。
えぇっ!今日は講習ないの?
急いで追い掛けた。今からならそんなに遠くには行ってないハズ。
滑って転びそうになるのをバランスとりながら走った。
例の公園を行き過ぎた所に紘貴君はいた。幸いにも独りでいた。
「紘貴くーん!」
「琉璃…どうしたの?」
「あのね、チョコ渡そうと思って。はい。」
「ありがとう。追い掛けてきてくれたんだ。」
「うん。どうしても渡したくて。私、紘貴君が好き。」
「え?」
「紘貴君が好きだよ。」
意外とあっさり言葉に出来た。走った勢いって感じ。
紘貴君は目を丸くして驚いていた。予想しなかったかな?
「あ…ありがとう。ちょっとビックリした。」
「そう?ずっと好きだったよ。」
「…そんな事言われたの初めてだな。」
嘘だ。あんなにモテるのに。
「出来れば紘貴君と付き合いたい。」
「…そっか。」
それだけ?
「こんな時は何て言ったらいいんだろう?えーと…琉璃は明るくて、積極的で…俺は羨ましいなって思ってたよ。泣きながら死んじゃイヤだと言ってくれた事も生きなきゃダメだと言ってくれた事も、俺を救ってくれた。その言葉は今でも励みになってる。だから琉璃とはずっと友達でいたい。付き合う事は出来ない…かな。」