トリプレ
「数学のノート貸して。」
紘貴は珍しく昼休みに体育館に行かなかった。いつものように図書館に行こうとする私を捕まえてノートを貸せと言ってくる。
ほらね。ほっといてくれなかった。
「あんた忘れ物多いね。」
「忘れたわけじゃないんだけど、ちょっと前の学校より進んでるみたいだから。ついていけないよ、俺。」
「…教えないよ。」
「そう言うと思った。一番頭良い人に頼むからいいよ。」
「そう言うと思った。教えないよ。」
「え?」
紘貴は目を丸くしている。
「私、こう見えて頭良いから。」
自分で言っちゃったよ。
「見えないんだけど。」
「ちなみに学年トップ。」
あ~あ、これも自分で言っちゃったよ。
「マジで!?じゃあこのノートを見れば俺も学年トップになれるかも。」
「何言ってんの?あんたじゃ無理だよ。」
アホだなぁ、こいつ。最初のイメージとだいぶ違う。もっとおとなしい奴だと思ったけど、意外だな。きっと前の学校でも人気者だったんだろうなぁ。
紘貴は珍しく昼休みに体育館に行かなかった。いつものように図書館に行こうとする私を捕まえてノートを貸せと言ってくる。
ほらね。ほっといてくれなかった。
「あんた忘れ物多いね。」
「忘れたわけじゃないんだけど、ちょっと前の学校より進んでるみたいだから。ついていけないよ、俺。」
「…教えないよ。」
「そう言うと思った。一番頭良い人に頼むからいいよ。」
「そう言うと思った。教えないよ。」
「え?」
紘貴は目を丸くしている。
「私、こう見えて頭良いから。」
自分で言っちゃったよ。
「見えないんだけど。」
「ちなみに学年トップ。」
あ~あ、これも自分で言っちゃったよ。
「マジで!?じゃあこのノートを見れば俺も学年トップになれるかも。」
「何言ってんの?あんたじゃ無理だよ。」
アホだなぁ、こいつ。最初のイメージとだいぶ違う。もっとおとなしい奴だと思ったけど、意外だな。きっと前の学校でも人気者だったんだろうなぁ。