トリプレ
 なんなの、あの態度!私が何したっていうのさ!今日はモモと帰ろう。
「ねぇ~モモ、聞いて。アキラがね~…」
 同じクラスのモモとは大親友。何でも話せちゃう。
 玄関で靴を履いてると、いきなり腕を捕まれた。ビックリして振り返ったらアキラだった。
「何で先に帰ってんだよ。」
 げっ…怒ってる。
「琉璃、私先に帰ってんね。」
 モモは空気を読んだのか、帰ってしまった。ここはいるべきじゃない?
 仕方なくアキラと帰る事にした。
「何で怒ってんの?」
「勝手に帰ろうとしたから。」
「その前からちょっと機嫌悪かったよね。」
「別に。」
 嘘こけ!
「言いたい事あるならハッキリ言っていいよ。怒らせるような事したんなら謝るし。」
「…。」
 何も言わないのかよ。
 アキラは公園に入って行く。

「他の男と仲良くされるとちょっとムカつく。」
 いきなり本音を言ってきた。やっぱりヤキモチやいてたんだ。それって私の事好きだからだよね?
「アキラ意外に好きな人なんていないよ。」
「その割にはアイツと楽しそうにしてたな。」
「だって泉ウケるんだもん。」
「アイツといる方が楽しいんだろ?」
 なんでそうなるかなぁ…?
「じゃあ私は誰とも喋るなって事?」
「そんな事言ってないだろっ。」
「そーいう事じゃん。楽しそうに話してたからアイツといる方がいいんだっ、なんて言われたら誰とも喋れなくなるよ。勘違いするのもいい加減にしてよ!」
 バチンッ!
 アキラは私の左頬をビンタした。あまりの痛さにうずくまる。
 なんなの、コイツ!いきなりビンタ?私が何をしたのさ。勝手に勘違い、勝手にビンタ…ムカつく!ムカつく!

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