トリプレ
修学旅行2日目。湖でボートに乗る予定だったけど、すでにバス酔いしていた私は見学する事にした。酔い止めがあまり効かない気がする。
保健の先生が私の隣でニコニコしている。スマイル0円のサービスみたい。
修学旅行って移動が多過ぎる。メインはバスじゃないの、って思えるくらい。
今日の宿泊先は札幌。温泉に入った後も何もする事がない。部屋に戻ってもみんないるだろうし(私がいない方がいいんだろうし。)とりあえず売店でも行こうか。
1階のロビーにソファーがあった。ちょうどいい。しばらくここで時間をつぶそう。
ボーッとする。
…。…。
「何してんの?」
琉璃!明日香も!いきなり声掛けられてビックリした。
「誰かと思った。ビビらすなよ。」
「ビビらすつもりはなかったんだけど。」
そう言いながら二人は私の両隣に座った。
「…何?何で座ってんの?」
「いいじゃん。たまには姉妹水入らず?って事で。」
何言ってんだか…。琉璃だって彼氏と別れたばかりで傷心のハズなのに、気を遣ってくれてるんだろうな。
「泉がね、三つ子はエスパーの力で繋がってるって言ってたんだよ。本気で言ってたよ。」
明日香は笑っていた。
「バカだな。そんなわけあるか。」
でも泉もあれで色々考えてんだな。
「でも私、三つ子パワーで運命の人に出会えたかもしれない。」
あれ?傷心のハズ…。
「三つ子パワーって何だよ?」
何言い出すんだ、琉璃。
「知らない人から間違われて声を掛けられる…みたいな?それが運命の出会いだった…みたいな?これ三つ子パワーじゃん。」
「三つ子パワーは意味わからんけど、明日香と琉璃には感謝してるよ。」
『え?』
せっかく来てくれたんだ。ちょっとだけ本音を言おう。
「私は友達と仲良くできる明日香が羨ましいし、素直に恋愛できる琉璃も羨ましい。でも暴力女を避けないでいてくれるのは明日香と琉璃だけだ。」
変わらない態度で接してくれる。私達は友達じゃないから、いつも一緒にいるわけじゃないし、お互いに合わせようとしないし、喧嘩だってしょっちゅうする。だけど二人がいるから私は孤独を感じないんだと思う。
「何があってもこの縁は切れないんだから、避けたりするわけないじゃん。」
琉璃がそう言ってくれた。
三つ子に産まれて良かったなぁ。
保健の先生が私の隣でニコニコしている。スマイル0円のサービスみたい。
修学旅行って移動が多過ぎる。メインはバスじゃないの、って思えるくらい。
今日の宿泊先は札幌。温泉に入った後も何もする事がない。部屋に戻ってもみんないるだろうし(私がいない方がいいんだろうし。)とりあえず売店でも行こうか。
1階のロビーにソファーがあった。ちょうどいい。しばらくここで時間をつぶそう。
ボーッとする。
…。…。
「何してんの?」
琉璃!明日香も!いきなり声掛けられてビックリした。
「誰かと思った。ビビらすなよ。」
「ビビらすつもりはなかったんだけど。」
そう言いながら二人は私の両隣に座った。
「…何?何で座ってんの?」
「いいじゃん。たまには姉妹水入らず?って事で。」
何言ってんだか…。琉璃だって彼氏と別れたばかりで傷心のハズなのに、気を遣ってくれてるんだろうな。
「泉がね、三つ子はエスパーの力で繋がってるって言ってたんだよ。本気で言ってたよ。」
明日香は笑っていた。
「バカだな。そんなわけあるか。」
でも泉もあれで色々考えてんだな。
「でも私、三つ子パワーで運命の人に出会えたかもしれない。」
あれ?傷心のハズ…。
「三つ子パワーって何だよ?」
何言い出すんだ、琉璃。
「知らない人から間違われて声を掛けられる…みたいな?それが運命の出会いだった…みたいな?これ三つ子パワーじゃん。」
「三つ子パワーは意味わからんけど、明日香と琉璃には感謝してるよ。」
『え?』
せっかく来てくれたんだ。ちょっとだけ本音を言おう。
「私は友達と仲良くできる明日香が羨ましいし、素直に恋愛できる琉璃も羨ましい。でも暴力女を避けないでいてくれるのは明日香と琉璃だけだ。」
変わらない態度で接してくれる。私達は友達じゃないから、いつも一緒にいるわけじゃないし、お互いに合わせようとしないし、喧嘩だってしょっちゅうする。だけど二人がいるから私は孤独を感じないんだと思う。
「何があってもこの縁は切れないんだから、避けたりするわけないじゃん。」
琉璃がそう言ってくれた。
三つ子に産まれて良かったなぁ。