トリプレ
翌朝、お父さんもおかあさんも減額の事については触れなかった。いつもと同じような朝だ。でも、私達が家を出る直前にお父さんに、
「門限守れよ。」
と釘を刺されてしまった。なんとも面白くない。

「おっはよー明日香!昨日は楽しかったね。」
 何も知らないスズカは私の前の席に座り、のんきに言う。まさかそのせいでお小遣い減りましたとは言えない。
 スズカは良いよ。私とはお小遣いの桁が違うんだからさ。この貧富の差が怖くて、私はスズカにお小遣いを10割増しで申告している。
「また行こうね~。」
と、とりあえず言っておく。そんなお金無いんですけど!
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