トリプレ
 裏のおばさんが帰ってからお母さんに水着を出してもらった。和室の押し入れにしまってあった。
 相良君の話を聞いてしまった事は黙っていた。お母さんも何も言ってこないし。
 夜、寝る前にも瑞穂は勉強していた。よく出来るな、そんなに。明日香はもう寝ていた。私は雑誌をめくってみるけど、内心は瑞穂に相良君の事を聞きたくてしかたがなかった。勉強の邪魔になるかな?
「あっ、もう寝る?電気消してもいいよ。」
 瑞穂が言った。
「あのさ!講習って相良君と一緒だっけ?」
「そうだけど?」
 瑞穂は机から目を離さない。
「相良君ってお姉ちゃんと弟がいるんだってね。」
 瑞穂がどこまで知ってるかわかんないから、少し様子をみてみる。
「は?妹だろ?」
「え?そうだっけ…あっ違う人だったかも。ごめん。」
 あれぇ?なんかおかしいぞ。妹なんて言ってなかったよ。
 深まる相良家の謎…。
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