トリプレ
 モモとプールにやってきた。最近オープンした遊園地みたいなプール。スライダーあり~の、噴水あり~の、急流すべりあり~の。水のアトラクションがとにかく豊富。だから敷地はかなり広い。冬はスキー場になるらしい。
 で、今日は特に暑い。まさにプール日和。だからたくさんの学生で混んでいた。
「みんな考える事は一緒だね。」
 モモと1つの浮輪に捕まって、流れるプールに身を任せていた。
「モモのさ~おじさんとおばさんってどんな感じ?」
「なぁに?急に。うちの親に会った事あるじゃん。」
「親じゃなくて、親戚のおじさんとかおばさん。どんな感じかな~って思って。」
「う~ん…たまにしか会わないからね。お酒いっぱい飲んでゲラゲラ笑ってる姿しか思い出せない。」
 豪快だなぁ。
「じゃあさ、そのおじさんの家族と自分だけ一緒に暮らす事になったらどうする?」
「えぇっ?そんなの考えた事ないよ。」
「考えてみて。」
「う~ん…なんかイヤだなぁ。気を遣うよね、絶対。」
「だよね。」
「どしたの?まさか琉璃だけ親戚の家に預けられちゃうとか?」
「ううん、違うの。今のは気にしないで。」
「なんか隠してる…。」
 モモは私の目をジッと見た。見透かされるようで怖い。
「なんも隠してないよ~。そんな夢を見たからさ。」
「夢かよ。」

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