トリプレ
 お昼はプール内にあるレストランで焼きそばを食べた。お祭りの屋台の味がして美味しかった。家の焼きそばとは違う。
「アイスも食べよっかなぁ。」
 モモは相変わらず大食い。
「お腹こわすよ。」
「大丈夫だって。」
 モモはアイスを買いに行った。
 やっぱりどうしても相良君の事が気になる。そういえば修学旅行で会った時、独りでいるのは寂しいとか、姉妹を大切にしろとか言ってたっけ。あれって、相良君が独りっきりでいたからなのかなぁ?家にいても寂しいんだろうか?
「ボーッとして、考え事?」
 モモがかき氷を持って戻ってきた。
「悩みがあるなら言ってよ。私と琉璃の仲じゃん。」
「悩みというか…恋?」
「おぉっ!誰?誰?」
「…2組の相良君。」
「あぁ、あの転校生ね。頭めっちゃ良いらしいね。瑞穂を負かしたんだって?」
「そうなんだ…」
 それは知らなかった。私には全く関係ないから、廊下に成績優秀者の名前が貼りだされてもまず見ない。
 そんなに頭良いんだ。ホントに優等生なんだなぁ。でも今は、無理してるように思える。
「相良君か~。結構モテるらしいから、早く動いた方がいいかもね。」
「そうなの?モモ意外と相良君の事詳しいね。」
「噂を聞く程度だよ。話した事ないし。」
「他には?何か聞いてない?家族の事とか…」
 いつの間にか私は身を乗り出していた。
「さぁ?でもお姉ちゃんはいるんじゃないかなぁ?N高の女の人と歩いてるの1回だけ見た事あるよ。引っ越してきたばっかで高校生の彼女がいるとは思えないし。」
 きっと相良家のお姉ちゃんだ。甥っ子が相良君だから…イトコになるのかな?
「弟とか妹は?」
「そこまではわかんないよ。そういえば修学旅行で相良君と話してたじゃん。自分で聞いてみたら?」
「う~ん…」
 聞きにくいんだよなぁ。
「でも相良君って意外だね。琉璃のタイプじゃないと思ってたよ。」
「うん。今までとはちょっと違うかな。」
 相良君の魅力はちょっと影があるところかもしれない。
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