トリプレ
子供のいないキヤマさんはずっと娘が欲しかったと言った。
「三つ子ちゃんが産まれた時はね、お父さん泣いてたんだよ。もう号泣。」
想像つかない。
「ちょうど、龍と外回りしてる時でね、産まれそうだって聞いて、勝手に病院向かっちゃってさ。」
龍とはお父さんのあだ名だ。龍神だから龍。なんかカッコイイ。
「そのおかげで俺まで産まれたばかりの三つ子ちゃんを見る事が出来てね~。小さくてお猿さんみたいだったよ。」
それはお母さんにも言われた事がある。猿が産まれてきたのかと思った、って。地味にヒドイ…。
「やっちゃんは大変だったろうから感動して泣いてるのもわかるんだけどね、それ以上に龍が泣いてたからね~。」
やっちゃんはお母さんの事。
「会社でも溺愛してる様子がよくわかったよ。いつも子供の話してたし。」
そういえば、どこに行ってもいつもカメラ持ってたっけ。
「名前を考える時だって、まだ産まれる前で三つ子だって知る前だけど、20個くらい候補があって、同僚にどれがいいか聞いて回ってたんだよ。」
…昔からちょっとウザイんだな。
「その中のベスト3だよ。明日香、瑞穂、琉璃。」
どうりで共通点が無いと思った。
「だけど、どれも龍が一生懸命考えた名前だからね。」
お父さんが考えたんだ。
「お父さんの事嫌いになる年頃かな?厳しくてイヤだと思うけど大事にしてるんだよ。かわいくて仕方ないんだ。」
「そうかなぁ?」
琉璃は照れながら言った。私も恥ずかしい。
「でもね、少し度が過ぎるっていうかね。この前、クラスの男の子とたまたま一緒に歩いていたら、どこの馬の骨ですか?っていきなり怒ってきたんだよ。」
瑞穂の話は初めて聞いた。ツッコミどころ満載じゃん。
「そうか、そうか!」
キヤマさんは手を叩いて笑った。
「龍だってな、やっちゃんに一目惚れして猛アタックしてたくせに。」
「三つ子ちゃんが産まれた時はね、お父さん泣いてたんだよ。もう号泣。」
想像つかない。
「ちょうど、龍と外回りしてる時でね、産まれそうだって聞いて、勝手に病院向かっちゃってさ。」
龍とはお父さんのあだ名だ。龍神だから龍。なんかカッコイイ。
「そのおかげで俺まで産まれたばかりの三つ子ちゃんを見る事が出来てね~。小さくてお猿さんみたいだったよ。」
それはお母さんにも言われた事がある。猿が産まれてきたのかと思った、って。地味にヒドイ…。
「やっちゃんは大変だったろうから感動して泣いてるのもわかるんだけどね、それ以上に龍が泣いてたからね~。」
やっちゃんはお母さんの事。
「会社でも溺愛してる様子がよくわかったよ。いつも子供の話してたし。」
そういえば、どこに行ってもいつもカメラ持ってたっけ。
「名前を考える時だって、まだ産まれる前で三つ子だって知る前だけど、20個くらい候補があって、同僚にどれがいいか聞いて回ってたんだよ。」
…昔からちょっとウザイんだな。
「その中のベスト3だよ。明日香、瑞穂、琉璃。」
どうりで共通点が無いと思った。
「だけど、どれも龍が一生懸命考えた名前だからね。」
お父さんが考えたんだ。
「お父さんの事嫌いになる年頃かな?厳しくてイヤだと思うけど大事にしてるんだよ。かわいくて仕方ないんだ。」
「そうかなぁ?」
琉璃は照れながら言った。私も恥ずかしい。
「でもね、少し度が過ぎるっていうかね。この前、クラスの男の子とたまたま一緒に歩いていたら、どこの馬の骨ですか?っていきなり怒ってきたんだよ。」
瑞穂の話は初めて聞いた。ツッコミどころ満載じゃん。
「そうか、そうか!」
キヤマさんは手を叩いて笑った。
「龍だってな、やっちゃんに一目惚れして猛アタックしてたくせに。」