トリプレ
ある日、お父さんに悲劇が襲った。仕事中に倒れ、救急車で運ばれたのだ。
「食中毒って…何食べたんだよ?」
点滴中のお父さんに、上司のキヤマさんが付き添っていた。
夏の暑い日にもかかわらず、一人暮らしのお父さんは食べ物の調理に気を使っていなかったらしい。気をつけようね。
その日は入院するはめになり、お父さんは独り寂しく病院にいた。
そこに現れたのがお母さんだ。
「キヤマさんに言われて来ただけです。」
キヤマさんの計らいだった。
「彼氏に悪いので、どうぞ帰って下さい。」
お父さんなりに気を使ったつもり。いつもならガンガン押していくのに、この日は食中毒のせいで元気が無かった。
「…別れました。」
「えっ!?」
いつの間にかお母さんは彼氏と別れていた。キヤマさんはそれを知っていた。
「…。」
「…。」
しばし沈黙。
「…。」
「…。」
まだまだ沈黙。
この時お母さんは、早く告白してこいと思っていたらしい。だけどお父さんは、傷心のお母さんに告白するべきか励ますべきかで悩んでいたという。
…じれったいね。
「私は龍神さんが思っているほど、良い女ではないんです。フラれちゃいましたからね。」
「…はぁ、そうですか…。」
お父さん、完全に思考停止。チャンスなんだよ、お父さん!
「では、私はこれで…」
なんと!お母さん帰ろうとしてます!何やってんの、お父さん。
「あの…ここに来てくれただけでも、俺はすごく嬉しいです。だけど俺一人で嬉しがって不謹慎かな~とか思ったりしてて…何て言ったらいいかわかんないけど…早く元気になって下さい。」
この台詞を点滴したまま言ったという。
「私より、龍神さんこそ早く元気になって下さい。」
この時のお母さんの笑顔で、再びお父さんのハートは射ぬかれたそうな。
その後、お父さんからの再アタックで二人は付き合う事になりましたとさ。
「食中毒って…何食べたんだよ?」
点滴中のお父さんに、上司のキヤマさんが付き添っていた。
夏の暑い日にもかかわらず、一人暮らしのお父さんは食べ物の調理に気を使っていなかったらしい。気をつけようね。
その日は入院するはめになり、お父さんは独り寂しく病院にいた。
そこに現れたのがお母さんだ。
「キヤマさんに言われて来ただけです。」
キヤマさんの計らいだった。
「彼氏に悪いので、どうぞ帰って下さい。」
お父さんなりに気を使ったつもり。いつもならガンガン押していくのに、この日は食中毒のせいで元気が無かった。
「…別れました。」
「えっ!?」
いつの間にかお母さんは彼氏と別れていた。キヤマさんはそれを知っていた。
「…。」
「…。」
しばし沈黙。
「…。」
「…。」
まだまだ沈黙。
この時お母さんは、早く告白してこいと思っていたらしい。だけどお父さんは、傷心のお母さんに告白するべきか励ますべきかで悩んでいたという。
…じれったいね。
「私は龍神さんが思っているほど、良い女ではないんです。フラれちゃいましたからね。」
「…はぁ、そうですか…。」
お父さん、完全に思考停止。チャンスなんだよ、お父さん!
「では、私はこれで…」
なんと!お母さん帰ろうとしてます!何やってんの、お父さん。
「あの…ここに来てくれただけでも、俺はすごく嬉しいです。だけど俺一人で嬉しがって不謹慎かな~とか思ったりしてて…何て言ったらいいかわかんないけど…早く元気になって下さい。」
この台詞を点滴したまま言ったという。
「私より、龍神さんこそ早く元気になって下さい。」
この時のお母さんの笑顔で、再びお父さんのハートは射ぬかれたそうな。
その後、お父さんからの再アタックで二人は付き合う事になりましたとさ。