ギブス
「柚葉、今日…学校、どぅする…っ」


その、部屋の外から聞こえた兄・裕隆の言葉…


『…休みたい…っ』


そぅ…、淡々と応えると…柚葉は、ベッドに再び…倒れ込むかのよぅに、横になった…


「…分かった…
朝ご飯、ちゃんと用意してあるから…
起きて…、ちゃんと、食べろよ…」


しばらくして…、階段を降りて行く足音が聞こえた…


『………』


ゆっくり…と、瞼を閉じた…

その先に…、たった一人の人の姿のシルエットが甦る…



そして…



いつもは、クールで…無表情に近い…、その人が…

照れくさそうに…笑う仕草が好きだった…


2人だけでいる時に…、いつも…暖かな笑顔を向けて、見守っていてくれるよぅな…暖かな温もり…


『…大好きなのに…っ』
【…何で…っ


何で…ダメなの…っ



どんなに…、好きになったとしても…っ

遠すぎて…


頑張って…、物分かりのいぃ女の子になろぅとしても…っ


好きになってくれなかったょ…っ】


その内…、次々と…溢れ出した涙が止められず…

枕に、顔を埋めて泣いた…
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