ギブス
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その日の…、お昼過ぎになって…


自分の部屋のベッドに、横になっていた柚葉の携帯の着うたが鳴り響いた…

やっと…、眠りに就いていた柚葉は、ゆっくりと瞼を開けた…

枕元に、置いたままになっていた…携帯に手を伸ばした…

その、携帯を開き、液晶画面に表示されてあった名前に…

一瞬にして…、心臓を鷲掴みにされたかのよぅな錯覚に陥った…


『………』


すぐに、身体を起こし…

その、その液晶画面に表示されている名前を…再度、確認する…

‐櫻井 諒‐

…と、表示されている名前に…

再び、生暖かい涙が…溢れ出していた…


「…先生…っ」


その…、涙が…頬を伝い落ちていく…


凍てつき、壊れかけていた心が…少しずつ動き始めていく…
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