ギブス
「…っあ…」


その、声がした方に顔を向けた諒…

目の前に、女子生徒が立っていた…


「さっきから…、具合が悪そうなカンジがしましたけど…
大丈夫ですか…っ」


「……っ」


その、首筋から…匂い立つ…血の匂い…



その、瞬間に…、再び…目醒めた…魔の瞳…


「…何でもないょ…
もぅ少し…、側にいてくれなぃか…っ」


…と、諒はその女子生徒に右手を差し出し…

その腕を掴み、自分の方に引き寄せた…


「…先生…っ」


うろたえている…少女の耳元に…


「大丈夫…。
君の血を…、少し…貰うだけだから…ね」


「……っ」


その身体を抱き寄せ…、その白い首筋に…
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