ギブス
「……っ」


一瞬の間…

ほんの少しだけ…、意識が遠のいたよぅな気がした…



再び…、喉元に手をやる…が、先程まで感じていた喉の渇きが感じられなかった…


「……っ」
〔…何だ…っ

この感覚…、まるで…血を吸ったアトのよぅな…っ〕


諒は、自分の側で…フェンスにもたれ掛かり、意識を失っている女子生徒に気がついた…

すぐ様、地面に片膝をつき、その少女の肩を揺さぶりながら…


「っおぃっ大丈夫かっ」


「…ん…っ」


微かに、その少女がうごめいた…


その、揺さぶった少女の首筋に…2つの牙のアト…

最初、何かの間違い…かと、思った…


…が…


「…んっ…」


揺り動かした少女の口から漏れた声に、諒は…安堵のため息を漏らした…


「……っ」
〔すぐに…意識を取り戻した…と、言うコトは…

大した量は、吸ってはいなぃ…


…が、何故だ…っ


俺は、吸うつもりはなかったのに…っ〕
< 115 / 362 >

この作品をシェア

pagetop