ギブス
動揺している柚葉に、目の前の人物は…吹き出した…


「いゃ、人違いじゃないょ…
神城 柚葉ちゃんでしょ」


『…っえ
あ、はぃ…そぅですけど…っ。でも…っ』
【…って、

あたし…、この人と会ったコト、あったっけ…っ】


…と、躊躇している柚葉に…


「俺、二宮 奏…
櫻井 諒の弟…、知ってるでしょ」


『…っえ…』


その名に…、一瞬…心臓の鼓動が早まった…

奏の名…に、ではなく…、諒の名に…


『…先生の…』
【…そぅ言えば…

あの日…、先生の携帯に掛かって来た電話…っ】


奏は、柚葉の視線に合うよぅに…腰を屈め、柚葉の耳元に…


「柚葉ちゃん、ウチの兄貴と…Hなコト、してたよねっ」


その、耳元に聞こえた…奏の言葉に…

柚葉の、表情が強張る…


『………』
【…っな…、何で…っ

…知って…っ】


その、柚葉の反応に…

微かに、笑い声を上げた奏…
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