ギブス
顔を伏せ…、そのまま…席に着いた柚葉…



「このクラスの世界史を担当するコトになった…櫻井 諒-サクライ リョウ-です…
やる気のない生徒に、授業を受けさせるつもりはないから…そのつもりで…」


…と、壇上に上がった…その青年・諒の授業が始まった…



柚葉は、授業が始まっても…、教科書は開いたモノの…

授業に身が入るよぅな精神状態ではなぃ…


泣き出しそぅになるのを…懸命にこらえた…


『……っ』
【紗理奈…、酷いょ…

メイク…、慣れてなぃのに…


あたし、紗理奈みたぃに上手くメイク出来なぃのに…っ



紗理奈…、いぃ子だけど…

あぁいぅトコ…、嫌い…っ】



目線を伏せたままの…、柚葉の視界の中…

柚葉の席の机を…、何度か指先で叩いている指が視界の中に入った…


「俺の授業を受ける気がないのなら…、
今すぐ…出て行きなさい…っ!」


その、声が…教室中に響き渡った…


『…あ…っ』


よぅやく…、顔を上げた柚葉…


『…す、すいません…』


慌てて、視線を反らし…

教科書を捲る柚葉…


『……っ』
【…授業…、何処まで…進んでるの…っ?】


…が、その開こうとした教科書のページ…、のページを押さえるよぅに…諒の手があった…


「聞こえなかったのか…っ?
授業を受ける気がないのなら…出て行きなさいっ!と言ったんだ…」


そぅ…、冷ややかに言った諒の言葉…

その、諒の表情に…涙がこみ上げてきた…


『…っご…、ごめんなさい…っ』
【…っこ…、…怖い…っ】
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