ギブス
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‐保健室‐


保健室のベッドで…


ようやく、眠りに就いた柚葉の…額に掛かる髪を撫で…

その手が…柚葉の頬や、形の良い唇に移る…


「…柚葉…」
〔…あんな言葉…

…言わせるつもりなんかなかった…


傷つけるつもりも…

泣かせるつもりも…っ〕



その、唇をなぞり…

諒は、その唇を塞ぎ…、唇を重ねた…


唇を離し…、その柔らかな頬に触れた…

諒の脳裏に…、先程…廊下で柚葉と奏がキスをしていた場面が脳裏を掠めた…


「…まさか…っ」
〔…アイツ…、

もぅ…柚葉の血を…っ〕


…と、その不安にかられ…、諒は柚葉の制服のネクタイを緩め、シャツのボタンを外す…


「……っ」


柚葉の首筋には…、牙のアトがなかった…


その、事実に…再び、胸を撫で下ろした…


「…良かった…」


その、安堵の声…


「…君が希むのなら…
側にいよう…っ」
〔ソレが…

…赦されるのなら…



…俺の心を…

揺り動かしたのは…、君だけだ…っ〕
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