ギブス
その、今にも…泣き出しそぅになった柚葉の表情に…

諒は、ため息を1つつき…


「放課後…、残りなさぃ…
名前は…っ?」


諒の…、冷ややかなその…淀みのない声に…

柚葉は、泣き出していた…


『…か、神城…柚葉です…』


何とか…、こらえながら…ソレだけ言えた…


柚葉が言った…自分の名に…

諒の表情が、一瞬変わった…

微か…に、口元だけ笑みを浮かべながら…


「…“神城”…か…
放課後、逃げるなよ…」


『……っ』


その瞬間に…、感じた違和感…


諒の持つ…その独特な雰囲気に…恐怖心を感じながら…

懐かしいよぅな…

切ないよぅな…

そんな感覚…


『……っ』
【あたし…、この人に…

…逢ったコトがある…



この…、シルエットに…

低めがちな…声…



でも…、…何処で…っ?】


諒は、踵を返し…壇上に戻り、授業を続ける…
< 14 / 362 >

この作品をシェア

pagetop