ギブス
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放課後…、誰もいなくなってしまった教室で…

柚葉は、諒に言われるまま…残っていた…



外見とは、違い…手厳しい諒の授業に…授業1日目にして、生徒たちは引き気味…と、なってしまっていた…


さすがの紗理奈も、放課後…柚葉だけでは心配だ…と、一緒に残る…と、言ってくれたが…

柚葉は、ソレを断った…




その時、開いた教室のドアの音に…、柚葉は振り返った…


『…っあ…っ』


寄りかかっていた机から…体制を直し、その教室に入って来た諒の方に身体を向けた…


「ちゃんと…、待っていたんだな…」


…と、微か…に、笑みを浮かべた諒…


その、諒の表情に…柚葉は、胸を撫で下ろした…

正直、まだ怒っているのでは…と、思っていたからだ…



諒は、教室に入り…、そっと内鍵を閉めた…

…が、柚葉は、そんなコト、知る由もない…



『…あ…の、す、すいませんでした…
次からは…、ちゃんと授業…受けます…
だから…っ』


…と、頭を下げた柚葉…

諒は、柚葉に歩み寄り…、掛けていた眼鏡を外した…


「そんなコトは…どぅでもいぃ…」


『…っえ…っ?』


その眼鏡を外す瞬間…、そっと瞳を伏せ…、その瞳が…再び開いた瞬間…

視線が…、ぶつかった…


一瞬にして…、その瞳から逃れられない…


「やはり…、美しく…成長したな…」


微か…に、呟くかのよぅに言った…その言葉…


『…っえ…っ?』


柚葉は、よく聞き取れなかった…
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