ギブス
「……っ」


諒は、ゆっくり…と、身体を起こし、重苦しいため息を1つついた…

額にかかる…前髪をかき揚げながら…


「…柚葉…、奏に…何処まで聞いたのか知らないが…
最初から話すよ…」


『……』
【…“最初から”…っ】


諒の、その瞳から覗かせる…真摯な眼差しに…

柚葉も、涙を拭いながら…力強く頷き返した…


「確かに…、以前も話した通り…俺は、吸血鬼だ…
本能のままに…、生き血を求め続ける…
ウチの親は…、その一族同士で…本来ならば…、その血統を薄く…普通の人間と共に、共存していかなければならなぃ…
…が…」


『…一族同士でっ…』


「…あぁ、愛し合った末に…俺が生まれた…
元々…、吸血鬼の男は、短命なんだ…
奏は、何を勘違いしたのか…分からないが…
1人の女を愛した…からと云って、死ぬワケじゃなぃ…っ
短命の寿命だったんだょ…
まぁ…、だからと言って…俺がすぐに死ぬワケでもなぃ…」


そぅ…、柚葉に、緩やかに笑い掛けた諒…


『…ホントにっ…』


…と、問いかけた柚葉の言葉に…、頷き返した諒…
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