ギブス
『…っ先生…っ』


ベッドから…、勢いよく飛び出すように駆けた…柚葉…


「…柚…っ」


そのまま…、部屋のドア近くにいた諒の所まで駆け寄り…抱きついた…


「…柚葉…っ」


急に…、抱きついた柚葉に、動揺を隠しきれないでいる諒…

柚葉は、泣きながら…嗚咽混じりのしゃっくりを上げながら…


『…先…生…っ』


諒は、泣きじゃくる柚葉の背中をさすりながら…

柚葉の身体を抱き締める…


「…どぅした…っ
ナニも…泣くよぅなコトじゃなぃだろ…っ
小さな子みたいだな…柚葉は…っ」


そぅ、柚葉の背中を…優しくさすりながら言った諒…

柚葉は、相変わらず…泣きやまずに、しゃっくりを上げながら…

諒の方を見上げた柚葉…


『…だって…、先生が…急に、いなくなってしまったのかと思ったんだもん…っ
起きたら…、側にいなくて…
いなくなっちゃったのかと…っ』


「…柚葉…っ」


柚葉の言葉に…、驚きを隠せない諒…

その、瞳が…微かに揺らいだ…


…が、諒は、急に吹き出しながら…


「馬鹿だな…っ、急に…いなくなったりなんかしないよ…」


そぅ…、柚葉の頭を撫でながら…笑い掛けた…
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