ギブス
『……っ』
【…奏さん…

庇ってくれた…っ】


奏の好意に…、柚葉の瞳から…次々と涙が溢れ出していた…


「…柚葉…っ」


…と、柚葉の側で、柚葉の肩に手を置いた紗理奈…

その、紗理奈の方を振り返った柚葉…


紗理奈は、その柚葉の耳元に…


「…ね、二宮さん、柚葉を庇っていたけど…
あの写真…っ」


『……っ』


紗理奈は、そぅ…言いかけた所で…、急に言葉をつぐみ…


「…ごめん…、何でもない…っ」


…と、そのまま…紗理奈は、自分の席へと着いた…


『……っ』
【…紗理奈…、気がつぃたのかな…っ

…気が…つくよねっ


話して…、みようかな…っ

お兄ちゃんのコト…っ】


そして…、先ほど…自分を庇ってくれた奏のコトを思い出した…


『……っ』
【奏さんに…

…お礼…、言わなきゃ…っ


さっき…、庇ってくれていなかったら…

きっと…、言い訳すら思いつかなかっただろぅし…っ】
< 216 / 362 >

この作品をシェア

pagetop