ギブス
「……っ」


無反応…に、近い…

奏の反応に…、裕隆の口から微かにため息が漏れた…


「…妹に…、柚葉には…悪いコトをした…と、思ってるよ…
ただ…、柚葉の気持ちを考える余裕がなくなって…」


「……っ」


「まさか…、あの人が…
あんな大人の男が…、柚葉を本気で相手にする…だなんて、思わなかったから…」


その、裕隆の言葉を聞き…

二宮  奏は、今朝のコトは、神城 裕隆の仕業ではなぃ…と、確信した…


「…年なんて…、関係なぃじゃん…っ
現に…、アンタだって…柚葉ちゃんのコトが好きなんだから…」


「……っ」


「もぅ…さ、‐普通にいぃ兄さん‐で、いたら…っ
じゃ…、授業…始まるんで、戻ります…っ」


そぅ…、再び…踵を返し、廊下を歩いて行った奏…


「……っ」


その、奏の後ろ姿に視線を送りながら…、微かに口元だけを緩ませた裕隆…
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