ギブス
『…先生…っ』


ドアの方へ向かった諒を呼び止めようとした柚葉…

柚葉の方を振り返った諒…


「柚葉ちゃんは…、怒ってるみたぃだから…、
今日は、別の部屋に行こう…と、思ってね…っ」


…と、わざと…意地悪そうに、笑って見せた…


…が…


『…っヤダ…っ』


そぅ、すぐ様…ベッドから跳ね降りた柚葉は、部屋のドアちかくにいた諒にしがみついた…


「…柚葉…っ」


柚葉は、諒の上質のシルクのパジャマ地の袖を掴み…

今にも…泣き出しそぅな表情をしたまま…


『…っどっかに行ったら…イヤ…っ』


「……っ」


そぅ…、真っ直ぐに…自分を見つめる瞳…

自分とは、全く…異質なモノを感じた…


いくら…、穢しても…汚れない…


自分とは、全く違う…異質な血が…



「……っ」



彼女を…、穢す人間など…、許さない…

ソレが…、どんな…聖人だろぅと…


そぅ…、脳裏に浮かんだ言葉に…、思わず、吹き出しそぅになった…


自分のコトを…、不安気な表情で見上げる眼差しに…


この、少女を…誰よりも、穢しているのは、自分だ…と、言う事実に…


『…先生…っ』


そぅ…、一瞬…、無言となった諒に首を傾げた柚葉
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