ギブス
『……っ』


「……っ」
〔この娘を…

穢すコトが許されているのは…、俺だけだ…っ〕


不安気に…、諒のコトを見上げていた柚葉は、ゆっくり…と、その視線を反らした…

その、柚葉の反応に…意味が分からず…


「柚葉、どぅした…っ」


『…ごめんなさい…っ』


…と、泣き出しそぅな表情を浮かべ、呟いた…


諒は、柚葉が突然、謝ったコトが、何に関して謝ったのかが理解出来なかった…


『…今日、学校で…、
写真、先生も知ってたんでしょ…っ』


そぅ…、小さく言った柚葉の言葉に、諒は…‐あぁ、‐…と返事を返した…


『あの…、あたし…、あの写真…
ホントは…っ』


…と、しどろもどろ…に、なりながら説明をしよぅとした神城 柚葉…

…が、何を言った所で、言い訳になりそぅで…上手く伝えらる自信などなかった…


『…あたし…っ』


「…知ってた…」


その、頭の上から聞こえた…諒の声に、顔を上げた柚葉…


『…っえ…っ』


「君のお兄さんが…、柚葉をただの妹として見てはいなぃ…って、言うコト…
だから…っ」


そぅ…、最後まで言い終わるより早く…、言葉を詰まらせた…


目の前の少女が…、懸命に泣き出しそぅになりそぅなのを…こらえている…

その、表情を目の当たり…に、したら…コレ以上、酷なコトは云えなかった…
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