ギブス
「…柚葉…っ」


そっ…と、その柚葉の顔を覗き込みながら言った諒…

不安気な眼差しを向ける柚葉と視線がぶつかった…


『…ごめんなさい…っ
お兄ちゃんが…、写真まで撮っていただなんて…っ』


「……っ」


そぅ言った…柚葉の言葉に、言葉を失った…


諒は、今にも…泣き出しそぅな瞳をしている柚葉の身体を、そっと抱き締め…、背中近くまで伸びた栗色の髪を撫でながら…


「怒ってなんかいなぃよ…
お兄さんを信じていた…傷ついたのは、柚葉の方なんだから…
あの時、ちゃんと…俺が側にいれば良かったんだよな…っ」


そぅ…、すぐ側で聞こえた諒の声に、途端に…首を左右に振りながら…泣き出した…



「……っ」
〔君を手に入れる為に…

他の誰にも…触れさせやしなぃ…〕
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