ギブス
「…あたし…っ」
【…あの時…、

あの…、月明かりの下で、逢った人のコトが…

初めて…、逢った…


あの瞬間から…



…好きだった…




…‐初恋‐…だったのに…っ


あんな、酷いコト…



でも…、どぅしてだろ…っ

怖がったけど…


でも…、どぅしてだろ…っ

イヤじゃなかった…】



再び…、溢れ出した涙の粒…

柚葉は、声を殺して…泣いた…



その時…、鳴り響いた…

携帯の着うた…


『……っ』


柚葉は、頬に流れる涙を拭いながら…

鞄に、しまい込んだままだった携帯を取り出す…

携帯を開き、液晶画面に表示された番号に…


『…知らない番号だ…』


…と、呟いた…
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