ギブス
その…、次…の瞬間…

柚葉の身体は、再び…諒の腕の中にあった…


「…うん…、一緒に…時を重ねていこぅ…」


…と、耳元…に、小さく…囁くよぅに…聞こえた声…


その言葉…、その声に…、脈打つ音色に…

瞬時に…、胸の鼓動が大きく脈打った…


『……っ』
【…っ先生…っ】


その、一瞬…だけで、とめどなく…涙が溢れ…、伝い落ちた…


「…君が…、‘生きろ’…と、言えば…‘生きる’…
君が…、‘俺が生きる理由’だから…っ」


再び…、聞こえた…

その諒の言葉に、諒の方に顔を上げた柚葉…


『……っ』


その、柚葉の瞳が…涙の粒で揺らいだ…
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